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仕事について

PROJECT

富士山の麓のまちの魅力を
世界に発信

富士宮市まちづくりプロジェクト

富士山の南麓に広がる富士宮市では、毎年数多くの観光客が訪れる浅間神社の東隣の土地活用に悩んでいました。市からのプロポーザルを受けた加和太では、富士宮市のまちづくりプロジェクトチームを結成。この地の恵みを生かしたブルワリーレストランの提案を行います。さらに、この提案がきっかけとなり、ゲストハウス「掬水」の企画、運営も手がけることに。今回は、この2つの施設の企画、施工、運営に関わったメンバーがブルワリーレストランに再び集結し、当時の様子を振り返りながら、それぞれの想いを語り合ってくれました。

PROJECT MEMBER

會森 隆介 ポートレート

會森 隆介

施設運営事業部
2017年入社

道の駅「伊豆ゲートウェイ函南」の運営スタッフを経て、現在はブルワリーレストラン「Mt.Fuji Brewing」の施設長に。また、クラフトビールの醸造を自ら学び、製造も担当。

浅沼 順也 ポートレート

浅沼 順也

建築部
2014年入社

前職も建築会社に勤務。施工管理のプロとしてのステップアップを目指し、より幅広い建築物を担当できる加和太へ。今回のプロジェクトでは、ブルワリーの現場監督を務める。

本多 大典 ポートレート

本多 大典

事業企画室
2017年入社

宿泊施設の運営に興味があり、物件を探していたときに加和太建設と出会う。事業企画室のメンバーとして「掬水」の企画から行政対応、広報、運営サポートまで幅広く携わる。

田村 彬子 ポートレート

田村 彬子

施設運営事業部
2019年入社

「掬水」の運営責任者として、加和太建設に入社。日々、世界中から訪れる宿泊客たちと交流を重ねている。かつては、フリーランスのカメラマンとして活躍していた時期も。

富士宮市の持つ土地と、
古い建物を活かして。

このプロジェクトがはじまった経緯から教えてください。

浅沼

もともと、この場所は富士宮市の管理する市営の公園でした。しかし、2014年12月頃、「民間の力で、もっと上手く活用できないだろうか」と市からプロポーザルの公告があったのです。そこで加和太建設も名乗りをあげ、見事「最優秀提案者」として選ばれたのです。

會森

今日はこの場にいないのですが、提案段階では、事業企画室のもう一名のメンバーが本社で中心となって動いていました。ブルワリーレストランを提案したのは、富士山の美味しい湧き水を利用した出来立てのクラフトビールと、地元食材を使った料理といったこの地の恵みを存分に楽しんでほしいと思ったから。ゲストハウス「掬水」の話がはじまったのは、ブルワリーの提案が決まったあたりでしたよね?

本多

はい。2017年秋頃に富士宮市の職員の方から「ブルワリーレストランの予定地の近くに、面白い物件があるよ」とお話をいただきました。見に行くと、世界遺産の湧玉池に隣接する古い旅館で、現在は使われていない建物。加和太としても、ここで何かできないだろうかと検討をはじめました。

田村

私が関わるようになったのはオープンの直前からです。もともとこの土地には馴染みがなかったのですが、ゲストハウスの運営がやりたくて参加しました。決してアクセスの良い場所ではありませんが、浅間大社の隣で、建物も面白い。わざわざ足を運んででも訪れたいと感じる施設にするには何をすべきかを常に考えています。

建物も、ビールづくりも、
挑戦の連続だった。

では、まずブルワリーレストランのオープンに向けて、印象に残っていること、大変だったことを教えてもらえますか?

浅沼

最初から最後まで大変でしたよ。

一同

浅沼

この建物のデザインは、新進気鋭の設計事務所「SUPPOSE DESIGN OFFICE」に依頼したこともあり意匠性が素晴らしい。でも、施工が難しく、漏水の可能性もありました。私たち加和太の建築部も細かな部分までとことんこだわりました。デザイン性に優れ、かつお客様が使ううえで不便のないものにしたい。さらに、ビール工場としての機能性も維持するには…と設計する側も施工する側も両方に譲れない部分があり、何度も議論を重ねながら進めていきました。

會森

でも、そのおかげもあって、建物自体もお客様からの評判がいいですよ。

浅沼

うれしいですね。デザインのこだわりを何とか形にしようと必死でしたから。たとえば、床の色。思い描いている色がなかなか出せず、設計士の方も見守るなか、一晩中時間をかけて塗っていったんです。また、内装材にも一般的には使われない素材を使用しており、この素材感をどう生かすかというのも課題でした。実際にこの素材を使っている別の施設を東京まで見に行き、この設計事務所の持つ独特な世界観を理解する努力もしました。

會森

私が携わったのは、2018年4月、着工のタイミングから。このプロジェクトの前も道の駅でレストラン運営に関わっていましたが、今回はさらに「クラフトビールをゼロからつくってほしい」と頼まれたのです。

浅沼

驚くよね?

會森

はい。まったくの未経験でしたから(笑)。ただ、手に職をつけることには興味があったので、一から勉強をはじめました。栃木と金沢のクラフトビール工場にお願いして修行をさせてもらい、東京にも頻繁に講習会に出かけました。さらには、アメリカのポートランドにブルワリーの文化を学びにも行かせてもらいました。半年以上、とにかく様々な場所でクラフトビールづくりを学んで回りましたね。

浅沼

建築部としても、ビールの醸造を行うことができる建物の施工や機械の設置は初めて。起こりうる不具合も事前にすべてを想定しておくことはできず、実際、建物が完成後に「機械が動かない、冷えない」といった事象も起こってしまいました。あのときは會森さんには迷惑をかけてしまったよね?

會森

でも、おかげでどんなトラブルも乗り越えられるようになったと思いますよ(笑)。それに、同じ社内に建築チームがいるのは、やっぱり心強い。不具合を相談しやすいし、その後も運営できるようにしっかりサポートし続けてもらえますからね。初めて醸造したクラフトビールも、頑張った甲斐があって評判がいいですし、他のレストランから「うちでも置かせてほしい」という話をいくつもいただいています。

世界中からお客様が訪れ、
まちの人との交流も。

次に、ゲストハウス「掬水」の話を聞かせてください。オープンまでにどのような出来事があったのですか?

本多

まず、「このまちが、どんなまちなのか」と改めて知ることからはじめました。すると、古くは旅館街として賑わっていたことがわかったのです。歴史ある建物に泊まれる面白さもあるし、海外からの観光客も多い。「世界が注目する元気なまちをつくる」という加和太の目標もあり、ゲストハウスに挑戦してみようということになりました。

浅沼

昔からこの地で暮らす人たちも「再び富士宮のまちに人が集まる宿泊施設ができる」と喜んでくださったと伺いました。あと、2つの施設が2019年の3月に同時オープンを目指していたということもあり、建設中にはまちの人たちから「ここは何ができるの?」と頻繁に声をかけられました。

本多

私も問い合わせはたくさん受けましたね。メディアにも数多く取り上げていただき、オープン前から盛り上がっていました。ただ、そのぶん、「失敗はできないぞ」というプレッシャーも強くなっていったのですが…。

田村

私は初めて掬水の建物を見たとき、正直心配でしたよ。職人さんががんばってくれていたものの、オープンの1ヶ月前なのに内装が「本当に来月オープンできるの?」って状態でしたから(笑)。

本多

いや(笑)、古い旅館の良さを生かしながらキレイにつくり変えていくというコンセプトだったため、職人さんによる手作業が増えてしまい、予定より工事が押してしまっていたのです。いよいよオープン直前には、この案件とはまったく関係のない加和太のメンバーにも駆けつけてもらい、みんなで掃除をしたり、片づけを手伝ってもらったり。本当にとても助かりました。

掬水は、オープンしてからのお客様の反応はどうなんですか?

田村

3月にオープンしてから、お客様は徐々に増えていきました。そして、GWで一気に予約が増え、さらに富士山の開山を機に多くの方に訪れていただいています。海外からの宿泊のお客様が多いですが、カフェスペースは宿泊客以外の利用もできるので、まちの人でも賑わっています。ちょっとした国際交流の場になっていて、言葉の垣根を超えてみんなで語り合っているんです。お客様どうしで盛り上がっているのを見るととてもうれしいですね。ゲストハウスにしてよかったと思います。

同じ志のもと、
全員で一つのものをつくっていく。

最後に。このプロジェクトを通して改めて感じた加和太の魅力を教えてください。

浅沼

何より、地域に根ざす建物に関われるということ自体がとても誇らしいですね。単に建物を建てるだけでなく、この地に記録も記憶も残せる建物になるんです。そういったモノづくりは、地域に根ざした会社ならではの魅力ではないでしょうか。若い人たちにもそれを感じてほしいと思います。

會森

社員全員が常にプロジェクトのことを気にかけ、オープンのときには他部署の方々も数多く駆けつけてくれました。加和太の人の温かさは改めて感じましたね。あと、社内にデザイン室もあり、ブルワリーのロゴマークやグッズなども自分たちで考え、話し合いながらつくることができます。各部署が連携しながら一つのものをつくっていける点も気に入っています。

田村

宿泊施設の運営自体が、加和太では初めての試みでした。新しいことに挑戦しようという姿勢を応援してくれる環境があるのは素晴らしいと思います。私自身、この場所を富士宮でしか体験できない特別な場所にしていきたいですね。

本多

どの部署、どのプロジェクトでも、「世界が注目する元気なまちをつくる」という目標を全社員が意識して働いているのはいいですね。また、地域のためにやることが、会社のためになるというのも、この会社の魅力です。今後は2つの施設がもっと連携して「富士宮市に来たらブルワリーでビールを飲んで、掬水に泊まる」っていう文化を世界中の皆さんに広めていけたらと思います!

ありがとうございました。皆さんの思い入れが十二分に伝わってきました。

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